エアガンに興味のある子供を預かって父親の元まで送り届けるんだけどそいつときたらおもちゃ屋に寄り道して動きやがらねえ。その内父親がシビレを切らせて出向いてきちゃって引っぺがそうとするんだけどやっぱりテコでも動かないわけで小さな子供は銃の模型を両手で抱えてじいっと眺めてるだけなんだけどそれが妙に鬼気迫るっていうか完成された構造のように見えてきて、俺も父親もただそこに立ってることしかできなくて、ふと俺達が見てる子供が見てる銃は何を見てるんだろうなんてことを考えようとしたら現実の私の部屋のドアがごひょっと開けられて意識はおもちゃ屋から私の部屋にジャンプ。


 久しぶりですツミキです。スタジオから長い休みをいただきゴリゴリ集中して書き物に浸ってたまに本も読んでもう駄目人間街道まっしぐらというかここは地獄の何丁目なんだといった人生風情彩り鮮やか寒色のみフルコースを楽しんでおります。引き篭もってます。


 で、その子供が補助輪付きの自転車に乗って走りやがるんですがそれがまた遅くて、私は歩いたほうが楽なんじゃないかと思いつつも少年の小さな自尊心を思うとできなくて我慢して我慢して辿り着いたのが家ではなくおもちゃ屋ですからね。ああもう一体どうしたことかと。


 最近また日に二食ペースになりつつあります。狂ったように晩飯を食べます。目の疲れが酷く、目蓋が一日中腫れぼったかったりします。


 さかのぼって子供を受け取るところなんですが、私はマンションの前で待っていただけなんです。そのエントランスから子供が自転車に乗ってキコキコ現れて、よく思い出すと私はどうしてその子を父親の元に届けなくてはと考えたのか、それ以前に私はただあの子の後を追いかけていただけなのではないかと考えてしまって


 まあ所詮は夢の話なんで全てはその場しのぎの状況にしかありません。どれだけ当たり前でも夢、あまりに奇妙でも現実。この日記同様に即興で綴られただけの


 私の部屋に帰ってこられたときは心底ほっとしました。ああ、これでまた夢が見られるって淀んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで、生き物の臭いがする吐息を吐き出せたのですから。